V.私見、総括のことば

顧問教官・部長 村上保壽(現名誉会長)

 ヨット部は山大体育会の運動部の中で、教官と学生の関係が非常にうまく行っている数少ないクラブの一つである。学生の話を聞いていると、他のクラブの顧問教官がいかに学生と接触することが少ないかがよく分かる。ほとんどが名目のみの顧問であり部長である。しかしこのことは、教官、学生双方にとって、思えば淋しいものである。その点、私は諸君と共に一つの目標を追いかけて来れた幸を感じている。

 光まで2時間近くかかって練習に出かけて行ったことなど、今から思えば光の時代は困難な時であった。それにも拘わらず、毎年10数名の学生が入部し卒部して行った。この時期の諸君に私は感謝の気持ちで一杯である。そして、私の言うことを忠実に聞き実行すること、孤独になって耐えることを命じた歴代の主将に大変な重荷を背負わせていたことをすまないと思っている。

 年々、学生たちの意識や志向は変わって行くであろう。しかしヨット部そのものは不変だと思う。ヨット部の人生を送った者たちには不変の気持ちがあると思う。その精神的支柱として部訓をつくった。「安全・規律・行動・忍耐・自信」という言葉である。これを爽やかに唱えてほしいと思う。これらの言葉の本当の意味は、社会に出てある程度の経験を得たときわかるかも知れない。しかし、OBになってからわかる部訓をつくったということの意味をよく考えて下さい。

 最後に、現在70名の卒部生が濤瀾会に結集しているが、各人すべてに同一の行動と責任を課すことは正しいことだとは思わない。ヨット部におけると同様に、各人が自分の可能性に従って自分のできる範囲で濤瀾会に結集すればよいと思っている。全員参加が望ましいにしても、ヨット部と学生の為にできる範囲内で精一杯つくしてくれるOB諸君に対して、いつも心から感謝をしていることを忘れないで欲しい。

 以上



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